2025.07.11
2025年お知らせ
「アンパンマンナイト・SPティーチインイベント」開催

7月5日(土)、本編の上映とあわせ、監督の橋本敏一さんと音楽の近藤浩章さんを招き、来場者からの質問に答えるSPティーチインイベントを実施しました!

早速はじまったトークではスクリーンに貴重な絵コンテを投影して行われました。

アンパンマンがマントでサーフィンをする印象的なシーンの絵コンテが映し出されると、シーンそのままと言わんばかりの書き込み具合に場内からは驚きの声が。昨年公開映画『ばいきんまんとえほんのルルン』を監督した川越淳さんに作画をお願いしたことを橋本監督が教えてくれました。続けて「アンパンマンの苦手な水で泥の攻撃を防ぐというちょっと変わったシーンになって、面白くできたと思います。」とコメント。

続いて映し出されたのは数ある名シーンの中でも特にファンの心を動かしたであろう、落ち込むチャポンにアンパンマンが葉っぱの傘を差し出すシーン。橋本監督は「晴れているのに雨が降っていて、しかも霧が出て、ちょっと不思議な絵になっているんですが、叙情的なシーンとして映像と話の内容がうまくできたなと思います。」とお気に入りのシーンとしてチョイス。近藤さんもこのシーンはお気に入りとして挙げており、「アンパンマンがチャポンに優しく包み込むように、チャポンは悪くないというような大事なセリフを言いますけど、この部分のほのぼの感と、それからちょっと長尺で作っていて、すごくグッとくるとこですね。」とコメントした。

さらに近藤さんがチョイスした絵コンテとして映し出されたのはチャポンとアンパンマンが一緒に街のみんなの手助けをしているシーン。セリフなしでバラード調の「虹色の歌」が流れる中、みんなを助けて笑顔にすることの喜びを知っていくチャポンが丁寧に描かれています。近藤さんは「シンフォニックバラードを作ってほしいと依頼を受けて、作成しました。3分40秒ぐらいの長尺でたっぷりの音楽シーンでよかったなと思っています。」とコメント。

そしてティーチインのコーナーでは、時間いっぱいまで沢山の質問が寄せられました。

 

【Q:やなせたかし先生との思い出について教えてください!】

橋本監督「僕はあまり直接お話ししたことがなくて。パーティーとかで端っこの方にいて、恐れ多くて声かけれなかったです。いつもニコニコされている方ですが、たまに仕事のことで、厳しいことをお話ししていて、やっぱり自分の作品に対しては真剣に取り組まれてる方だなという印象を持っています。」

近藤さん「僕は昭和51年に初めてお会いしたんです。子どものミュージカルを作るということで、やなせさんといずみたくさん(アニメ「それいけ!アンパンマン」放送開始当時から音楽を担当。近藤さんが師事されている方)が一緒に51年の7月に向けて作ったんです。いずみさんからアシスタントとして紹介いただき、コンちゃんって呼んでいただいたのが最初です。それからずっと僕のことをコンちゃんって呼んでくださっていて、電話で自分のキャラクターの説明をして、音楽の発注をいただいていました。
先生からアイデアがあると必ず電話をいただくという、そういうお付き合いでした。」

【Q:どろだんだんはどのように生まれたのでしょうか?】

橋本監督「元々シナリオの打ち合わせの時に、最初は水でできてるようなメカだったんですが、プラスして何かを使ってパワーアップさせていくことになりました。僕が最初に砂と水でコンクリートみたいな感じにするというアイデアを出したのですが、脚本の葛原さんの方で泥にしようということになって、どろだんだんが誕生しました。

【Q:敵となるキャラクターの音楽でこだわっていることを教えてください!】

近藤さん「ばいきんまんが色々なメカを用意してきますよね。できるだけ怖がるように、でもかっこよくという風には努めています。いつも同じようなものになりがちですが、そこをちょっとずつ変えて、その時に合うように、怖がらせる時もかっこよくなるように作ってますね。」

2人からの最後の挨拶では、

橋本監督「『虹色の歌」をチャポンのテーマにしたいというお話をまずして、近藤さんの方で色々なアレンジをしていただいたので、その色々なアレンジを何度でも楽しんでいただければと思います。本日はどうもありがとうございました。」

 

近藤さん「アンパンマンナイトは去年から開催されていて、去年初めて見ましたが、音が頭から降ってくるぐらいの音量で聞けて、今後も続くといいなと思っていたので、また今年もやっていただけたみたいで嬉しいです。アンパンマンナイトを全国各地でやるようになって、色々な地域の方たちに映画を見て音楽を聞いてもらえることがすごく楽しみです。これからもまだしばらく続きますから、よろしくお願いします。今日はどうもありがとうございました。」

と締めくくり、イベントは大盛況の中終了しました。

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